メガネザル
メガネザルは小さくて、丸くて、毛がモフモフでかわいいですね。
でもバッタや小さなトカゲなどにとっては恐ろしい動物です。
バッタさんの独り言を聞いてみましょう。
「やつが、かわいいだって? とんでもない。やつは後ろを向いていても、頭がくるっと180度回転するんだ。悪魔憑きみたいで気色悪いぞ。いつも大きな目で俺たちを探し回っているんだ。夜目はきくし、見つかったら最後、遠くから一っ飛びで飛んできて、ガブリさ。くわばらくわばら。」


メガネザルは体は猿、目は異常に大きく、首はフクロウ、尻尾はネズミ、脚はカエル。そのため現地の人はお化けと呼んでいるそうです。
なお目には夜行性動物特有の反射膜が無いため、人の目のように光を当てても光りません。反射膜の無い欠点を、目の大きさでカバーしているのです。
キーウィ

ニュージーランドの国鳥キーウィはまん丸くて、かわいいですね。オスの鳴き声がキーウィと聞こえることからマオリ族がキーウィと名づけたそうです。キーウィの住むニュージーランドの地では、昔は天敵がいなくてキーウィの楽園でした。しかしヨーロッパ人によって持ち込まれた犬や猫、オコジョなどによって数が減っていて、今は手厚く保護されています
ニュージーランドの人たちもキーウィと呼ばれたりするそうですが、決して蔑称ではなく愛称だそうです。
みんなキーウィが大好きです。土の中の虫さん(蜘蛛、みみずなど)を除いては。何せすごい鼻で虫のにおいをかぎつけるのだから。

果物のキーウィはキーウィ鳥に似ているから、キーウィと呼ばれるようになったそうです。キーウィ鳥が先輩です。
貴婦人になった悪魔(ウスバカゲロウ)
先日、窓に薄緑色の虫が張り付いていました。ウスバカゲロウでした。このウスバカゲロウ、名前はカゲロウとなってますが外見が似ているだけでカゲロウでは有りません。本物のカゲロウは尻尾が三つに分かれているので、すぐわかります。
カゲロウは成虫になってわずか数時間のはかない命と言われていますが、ウスバカゲロウは2~3週間ほど生きるそうです。


ウスバカゲロウ

さて風に揺られて、はかなげに飛んでいるウスバカゲロウ、実はその幼虫は蟻地獄のヌシなのです。ダニのようなずんぐりした体に大きなあごを持っていて、砂地に穴を掘って、落ちてきたアリやダンゴムシに噛みつき、体液を吸って放り捨てるというおぞましさです。そのあごからは猛毒を出して、獲物の体を溶かすそうです。
それがあんなほっそりとした姿に変身するとは。人間の美しい女性にも、似たようなのがいるかもしれません。気を付けねば、、、。
なおウスバカゲロウの幼虫は忍耐強くて、ひと月でも、ふた月でも何も食べずにじっと待つそうです。アリジゴク稼業も大変なのだから悪魔呼ばわりしないでちょうだい。キィー!(金切声)
ハリネズミ(かわいいけれど毒蛇に勝つ)
ハリネズミのぬいぐるみが人気です。ストレス社会の中で癒しを求める人が増えているためでしょうか。聞くところでは日本中にハリネズミ・カフェができていて、ハリネズミに触ったり、一緒に写真撮影したりできるそうです。まるで映画スターみたいです



ところでハリネズミの背中の針は実は毛が集まって硬くなったものです。手で触ると痛そうに見えますが、実際はゴワゴワしていると感じる程度だそうです。
食べ物は雑食で何でも食べ、毒蛇やサソリも捕まえます。ハリネズミはそれらの猛毒に対して耐性があるので噛まれても平気です。危険になると針で威嚇したり、ボールのように体を丸めて身を守ります。しかし針の無い頭を虎やワシに狙われてひっくり返されると、おなかが柔らかいのでひとたまりもありません。弱肉強食の世界は非情なものです。
かわいらしいハリネズミちゃんは5千円から5万円くらいで買えます。ペットとして検討してみてはいかがでしょうか。
スカンク 猛獣に勝つ
悪臭を発することで有名なスカンクは、危険を感じると肛門腺から分泌液を噴出させます。そのひどい匂いで猛獣をも撃退します。一度、その匂いが付いたら、洗ってもなかなか取れないらしく、衣服ならば捨てるしかないそうです。この無敵に見えるスカンクですが猛禽類にはかないません。なぜでしょうか。猛禽類は鼻が悪いので、そんな匂いは何の関係もありません。鼻が悪いことが幸いしているのです。

なおアメリカにスカンクのにおいを全然臭いと感じない人がいるそうです。バラの香りのようだと言っています。スカンクのメスは、この匂いを嗅ぐとうっとりするみたいです。もしかして、この人、前世はスカンク?
悪臭の成分は科学的にはブチルメルカブタンという物質です。目に入れば一時的に失明するほどの恐ろしい物質です。
スカンクからヒントを得て、バカな科学者が化学兵器を作り、イスラエルでデモ隊に使われたそうです。そういう科学者はスカンクに悪臭をかけられたらよいのです。頭はもっと別のところで使わなくては。

スカンク男のショーン ゲーリー氏
カメは万年と言うが

「鶴は千年、亀は万年」と言われ、縁起の良い動物とされる鶴と亀ですが、実際はどのくらい生きるのでしょうか。鶴は2,30年から長くて60年、亀は30年から200年くらいだそうです。
200歳のカメだと江戸時代 徳川家斉の頃の生まれです。黒船来航(1853年)より33年も昔になります。さすがに亀さんはすごいですね。
長寿の動物は概して心拍数と呼吸数が少ないのが特徴です。人間の心拍数は1分当たり60-70回 、呼吸数が18回ですが、亀は心拍数8回、呼吸数5回です。人間は怒った時、泣いたときには、心拍数も呼吸数も増えます。ですからストレスを少なくして、ゆったりした呼吸をするように努めれば長生きができそうです。
ハクビシンとジャコウネコ


ハクビシンが最近、都会で増えているそうです。白鼻芯の名前が示す通り鼻の上の白い線が特徴です。ジャコウネコ科の動物です。ジャコウネコと言っても猫ではありません。どちらかと言えば、犬と猫の中間ぐらいの存在です。ハクビシンは屋根裏に住み着いて糞をまき散らしたり、畑を荒らしたりするので日本では嫌われ者です。
一方、インドネシアの本家ジャコウネコは、おいしいコーヒー豆をたらふく食べさせてもらい優雅なものです。(ジャコウネコ談:とんでもない。実際は狭いかごに入れられて窮屈な生活をおくっているのじゃぞ。)コーヒー豆はジャコウネコの体内でふくよかな香りに変化し、皮を被ったまま体外に排出されます。その糞からコーヒー豆を取り出し、きれいに洗って乾燥させ、焙煎したのが最高級コーヒーのコピ・ルアクです。
一杯8千円を下らないと言われていますが、アマゾンでは50グラム3千円余りで売られています。天然物と養殖物の違いかもしれません。好奇心が強くてお金のある方は体験されてはいかがでしょうか?
なおジャコウネコの尻のところにある腺から採れる香料「シベット」は、薄められてシャネルの5番にも使われています。《女性の方、あなたはジャコウネコ様に頭が上がらないのだ。それに惑わされる男性も。》
ところでハクビシンも仲間なのだからハクビシン・コーヒーとか作れないだろうかと思って調べたら台湾ですでに開発されているそうです。
ハクビシン談。「日本人は優秀な頭を持っているのだから、僕らを害獣と決めつけないで活用の方法を考えてちょうだい。キューキュー」




百獣の王の悲しき定め

さて百獣の王ライオンも成長するまでは弱く、ハイエナやワシなどに命を狙われるので親は子を愛情深く見守り育てます。
しかし群れのボスの雄ライオンが外から来た雄ライオンに敗れた時、悲劇が起こります。血のつながらない子供たちは新たなボスに襲われて殺されることが多いそうです。ライオンの子殺しは有名な事実です。
母ライオンは、なすすべもなく、ただ見守るだけです。可哀そうな話ですが母ライオンは子供を殺されたことにより母乳が止まって発情が始まり、新たなボスの子供を産んでいくことになります。これも種族維持の本能だとか。
ボスとなった雄ライオンは狩りにもいかずにゴロゴロしています。雌ライオンは取ってきた獲物を雄ライオンに奪われ、その食事が終わるまで待たねばなりません。雄ライオンはまるで暴君です。とはいえ若い雄にいつ地位を奪われるやも知れず、不安にさいなまれ気の休まる間がありません。人間で言えば乱世の戦国大名みたいなものでしょうか。

オオカミ魚(チップ・カムイ)はアイヌの神様
先日、魚屋さんに行ったら大きくてグロテスクな魚が並んでいました。オオカミ魚(英語でウルフ・フィッシュ)でした。日本では東北、北海道などで捕獲されます。大きいものは体調が1メートルにもなります。硬い歯を持っていてサザエやカニなどをバリバリかみ砕いて食べるそうです。
日本人にはなじみの薄い魚ですが欧米では結構食べられていてイギリスの伝統料理のフィッシュ・アンド・チップスにも使われます。(日本での値段はネット販売で4900円から10500円、築地で千円という情報も有ります。)

なお余談ですがアイヌ語でシャケは言葉の前後を逆にしてカムイ・チップ(神魚)と呼ばれます。シャケは神様の与えてくださった恵み、オオカミ魚は神様の化身(海の主)といった感じでしょうか。
見かけによらず意外とおとなしく、味も淡白でおいしいそうですが、私は食べようとは思いません。神様のままにしておきたいような気がします。
アイヌの人はこの魚をチップ・カムイ(魚神)と呼んでいます。決して食べたりはせず酒を供えて(飲ませて)、海に返すそうです。この大きな口と歯で噛まれたら腕がちぎれて危ないので、すばやくこん棒でたたいて気絶させてから海に戻す漁師もいるそうです。



恐ろし気な口
タヌキvsアライグマ
飲食店の前にはよく信楽焼のタヌキが置いてあります。「他を抜く」という語呂と「太っ腹」「酒の徳利を持っている」などのひょうきんな姿が商売の縁起物として愛されてきました。
さてタヌキは日本や朝鮮など一部の地域にしか住んでいませんでしたが、今はロシアや北欧、ハンガリー、フランス、ドイツなどにまで徐々に生息範囲を広げています。英語ではラクーン・ドッグ、直訳でアライグマ犬と言います。しかしタヌキという動物自体を知らない欧米人が多いので、そのまま tanukiでもかまいません。


一方、北米大陸原産のアライグマはペットとして日本に持ち込まれ、事情で捨てられた個体が繁殖したもので、急速に数を増やしています。郊外に限らず町中にもたまに出没するほどです。アライグマはかわいい外見をしていますが農産物や飼っているコイなどを狙うので害獣と言われ嫌われています。
先日、山口県でメダカがペットショップの水槽から百匹ほど盗まれ、防犯カメラを調べたらアライグマが映っていました。犯人が人間でなかったのが救いですが、困ったものです。
なおアライグマは気性が荒く、場合によっては人を襲うのでむやみに近づいてはいけません。噛まれたら恐ろしい狂犬病の危険もあります。

士別町ホーム ページより
一方のタヌキは臆病なので人を襲ったりしませんが、最近は里におりてきて農作物を食い荒らすため、これも害獣扱いです。タヌキから見れば、山の上まで開発する人間が害獣なのです。タヌキの川柳「害獣、たぬきを害獣と言い」
よく似た形態の両者ですが、見分けかたを知っておきましょう。
同じ穴のむじな
タヌキとよく似た動物にアナグマがいます。日本アナグマは害獣として今も多く駆除されているため一部の生物学者より絶滅を危惧されています。さて、アナグマは丈夫な手のひらと鋭い爪を持っていて土を掘るのが得意です。イギリスでは入り口が100ヵ所以上、部屋数が50、長さが約1kmにも及ぶ巣が発見されています。まるで地下都市です。その穴をタヌキやキツネが良く利用します。お互いが敵対関係にあるわけではないようでアナグマとタヌキとキツネが同じ穴の中から出てくることもあるそうです。

狢(むじな)はアナグマの別名ですが、タヌキやハクビシンも総称して呼ばれます。「同じ穴のムジナ」と言う表現は、アナグマたちの生態から来た言葉です。しかしアナグマもタヌキもキツネも悪さばかりするわけではありません。キツネの恩返しとか、タヌキの恩返しとかいう民話もあります。
キツネは穀物を食い荒らす野ネズミを獲るため古来より益獣とされてきました。アナグマやタヌキもネズミを捕食します。またアナグマがいなければタヌキやキツネも困ってしまいます。動物の保護と管理は人間本来の有りかたではないでしょうか。
なおダックスフントという脚の短い犬がいます。ドイツ人がアナグマやウサギの狩りのときに、穴に逃げ込まれたら手も足もでないので、穴に入れる犬を作ったそうです。(ダックスはアナグマ、フントは犬という意味)。何もそういう奇形の犬を作らなくてもいいのにと思ってしまいます。犬のためにもアナグマのためにも。
余談ですがタヌキの肉は、けもの臭くてまずいそうですがアナグマの肉はかなりの美味だそうです。でもアナグマを取って食べるのはやめましょう!

BuNaさんのウェブサイト参照
タヌキ 対 きつね
タヌキと並んで日本人に 親しみ深い動物にキツネがいます。タヌキそばとかキツネうどんとか美味しいですね。ところで化ける力は「 キツネ七化け、狸は八化け」と言われるようにタヌキがキツネより1枚上手だそうです。しかしタヌキが見下げられた感じでムジナと呼ばれているのに対しキツネはお稲荷さんとして神社の神様のように扱われていて格が違います。ちょっと不公平ですね。


ところで外人さんに人気の高い伏見稲荷大社にはキツネの像が一杯です。世の中にはお稲荷さんはキツネを祀っていると勘違いしている人もいるようですが、実際に祀られているのは宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)(別名は豊受姫神)です。宇迦とは穀物のことなので、稲作(五穀豊穣)の神と言うことになります。伊勢神宮外宮の祭神の豊受神ともつながっていて、伏見稲荷は伊勢外宮と親戚と言えなくもありません。キツネはその大神さまの眷属(使い)ですが、野山にいるキツネではなくて目に見えない霊的な存在です。
中国ではキツネは九尾のキツネ、なまめかしい美女に化けた妖怪のイメージが強いですが、日本ではかくも気高い存在です。
一般的にキツネ顔の人はずるそうという悪いイメージが有りますが、タヌキ顔の女性は愛嬌があると良いイメージが持たれています。
キツネうどんもタヌキそばもどっちもおいしいし、総合的にみれば、キツネとタヌキ、その勝負は引き分けかな?
いなばの白兎
因幡の白兎は古事記の有名な逸話です。隠岐の島に住むウサギが因幡の国に渡ろうと一計を案じてワニ(サメ)に言います。僕たちと君たちとどっちが数が多いか競争をしようじゃないかと。そこでワニを一列に並ばせるとウサギは数を数えながらぴょんぴょんとその頭を踏んでいきました。もう少しで渡り切るところで、うれしくなったウサギは実は陸に渡りたかったんだよ、君たちはバカだなあと言ってしまいました。怒ったワニはウサギの皮をはがして丸裸にしてしまいました。
そこに大国主の兄神たちが通りかかりました。ウサギが助けてくださいというと、海水につかってから風に当てれば良くなるぞ、と言うのでそのとおりにすると、皮がひび割れてもっと痛くなりました。そこに大国主の尊(みこと)が通りかかりました。わんわん泣いていたウサギから事情を聴くと、真水で体を洗いガマの穂を体に巻いて寝ころぶようにとやさしく教えてくれました。ウサギはすっかり治って毛がふさふさになりました。
結局のところ美しい八上比売(やかみひめ)に求婚に行った大国主の兄たちは姫にふられてしまいました。大国主の尊は姫と結ばれ国作りに励まれることになりました。

教訓1: 身から出た錆。ウサギの悪だくみがウサギに返ってきた。
教訓2: 意地悪には悪い結果が、親切には良い結果が返る。